通常の魚は鱗を取り除いて調理をすることがほとんどですが、アマダイは鱗を美味しく食べることができる魚です。「松笠揚げ」と言われる料理は、鱗が付いた皮目に高温の油かけることで、松かさのように開き、パリパリとした鱗が楽しめます。今回はアマダイ料理を紹介したいと思います。
高級魚「アマダイ」とは…
アマダイは漢字で書くと「甘鯛」で、その名の如く白身の上品な甘さが名前の由来のようです。他にもアマダイの横顔が女性の尼さんに似ているためとも言われています。
種類は、「シロアマダイ」「アカアマダイ」「キアマダイ」の3種類です。中でも最も高級なシロアマダイは、市場で最低でも1キロ当たり1万円で取引されているとか…。サイズが大きくなるほどに脂乗りがよくなり、取引価格も高くなるようです。
お刺身よりも「松笠揚げ」がおススメ!
私の実家は相模湾で釣り船を営んでおり、4~5年前からアカアマダイ船を始めました。
お客様から「おススメの食べ方は?」と聞かれると、大抵の魚は「まずはお刺身で召し上がってみてください」と答えます。やはり釣りたての新鮮な魚をゲットできるからこそ、生で食べることをおススメしています。
ですが、アマダイは違います。「最初は絶対、松笠揚げで食べてください!」と、ゴリ押しします。高温の油を掛けることで鱗はパリパリ、身は火が通りすぎずフワフワっとした食感がたまりません!サイズが大きいほど、鱗がきれいに開くように感じます。ちなみに小さいサイズは、豪快に頭ごと素揚げにして食べるのも美味しいです。水分がやや多い魚なので、干物やしゃぶしゃぶ、こぶ締めなども美味しいです。
頭は捨てちゃダメ!絶品「潮汁」
もう1つご紹介したいのが、頭の部分を使った「潮汁」です。
作り方はまず、魚焼き機などで頭をよく焼き、余分な水分を飛ばします。次に鍋に入れ、アマダイの頭が漬かるぐらいの水に、酒・醤油を少々、小さじ2杯ほどの潮を(我が家では800mlの水に対して)入れ、火にかけ出汁を取ります。塩の量はお好みですが、少し塩辛いと感じるぐらいが美味しいです。
アマダイの上品な旨味が出た潮汁は絶品です。焼くことによって香ばしさも増し、食欲をそそります。ぜひ、皆さんも一度お試しください。
さかなのNEWS編集部・小菅綾香
釣り船の娘として生まれ、釣り歴20年以上。東京海洋大学大学院を卒業。釣りアンバサダーとして釣りや魚、水産業の魅力を伝える活動をしている。