深海魚の中には、不思議な生き物が生息しています。今回は、体から大量の“粘液”を出す「ヌタウナギ」について調べ、入手方法や料理方法を紹介します。
ヌタウナギについて
ヌタウナギはウナギのような見た目ですが、ウナギとは全く違う種類になります。また、深海に生息する、ヌタウナギは生きた化石とも呼ばれており、目は退化してありません(正確には皮膚に埋もれています)。 “ヌタ”と名前にある通り、外敵から攻撃を受けた時、餌を食べてる時など、体から大量の粘液を出します。粘液は、ローションのようなサラサラしたものではなく、繊維に大量の水が含まれているような感じです。ベトベトとも、ネバネバとも違う…まさにヌタヌタしたような粘液です。
韓国では馴染みの食材
韓国では、ヌタウナギを食べる習慣があり、日本で取れたヌタウナギも韓国に輸出されています。食べ方は、皮や内臓を取り除き、生きたままぶつ切りにして、コチュジャンや野菜と一緒に炒めます。 私も東京海洋大学の学園祭でヌタウナギを塩焼きにして販売したことがあります。
では、この後はヌタウナギの入手方法と調理で注意すべき点をお伝えします
ヌタウナギの入手方法
ヌタウナギは相模湾や東京湾にも生息しています。そのため、ヌタウナギを取っている漁師さんと連絡を取ってみると、買えることが分かりました。例えば、以下のサイトから購入することができます。
新将丸:http://www2.tbb.t-com.ne.jp/enoshimaanago/index.html
ヌタウナギ調理で注意すべきこと
私は、活魚の状態でヌタウナギを購入していましたが、その際に分かった調理で注意すべき2つのポイントを紹介します。
①とにかく素早く捌くこと
なぜ、素早く捌かなければならないかといいますと…ヌタが大量に出てきてしまうためです…。何度も触っていると、ヌタが大量に出てきて、排水溝が詰まります…。
この時に、用意しておくと便利な道具として、ウナギの調理などで使う「目打ち」と「ペンチ」があると便利です。とにかくヌルヌルするので、目打ちで固定します。さらに、皮を剥ぐときにペンチが役に立ちます。素手でやると滑るので、ペンチがあると楽です。
②鮮度が命
捌いた後は素早く調理しましょう。時間が経ってしまうと、ヌタウナギ独特の臭みが出てきます。どうしても保存したい場合は、余分な水分を取ってくれる「ピチットシート」の利用をおススメます。
ヌタウナギは、コリコリとしたホルモンのような触感で、味はイカにも近いものがありました。
うま味が強く、おいしいです。皆さんも一度食べてみてはいかがでしょうか。
筆者プロフィール:
さかなのNEWS編集部・小菅綾香
釣り船の娘として生まれ、釣り歴21年。現在、東京海洋大学の大学院生。