水深200mより深い海域に生息する魚たちである深海魚。
個性的な見た目や不思議な生態から、ファンも多い深海魚ですが、どんな味がするのか気になるのではないでしょうか。
今回は、深海魚を愛するあまり深海魚ブランド「Labca.m」を経営している深海魚愛好家の田原舞さんに、「実際に食べてみて美味しくなかった深海魚」ベスト3を教えてもらいました。
第3位:深海のアイドル「メンダコ」
言わずと知れた、深海のアイドル。
タコだから普通に美味しいのかと思いきや、なんと味はほぼ無いのだそう。
筋肉が無いのかデロデロした食感で、噛みきれない何かをずっと噛んでいる感じに。
お刺身、タコキムチ、唐揚げにして食べてみても、味がほぼ無い。
刺身にすると、水だこをもっと噛みきれなくした味もしない謎の何かになってしまうとのこと。
例えるなら、タコの皮の部分だけを食べている感じ。
メンダコの食感を感じたい方は、まずはタコの皮だけを食べてみてはいかがでしょう。
第2位:なんでも食べる悪食深海魚「ミズウオ」
大きな背びれに鋭くて大きな歯。大きいものでは全長2mほどにもなるという大型の深海魚ミズウオ。ものすごくかっこいい見た目です。
稀に水揚げされたり浜辺に打ち上げられているそう。
そんなミズウオは、その名の通り身がとても水っぽい。そして小骨が多い。
蒲焼きにして食べてみたところ、ほんのりと遠くに魚の風味がするがとても悪かったとのこと。どうしたら美味しく食べられるのか全く想像がつかないようでした。
第1位:リュウグウノツカイ
深海魚好きなら一度はその名を聞いたことがあるであろう人気の深海魚。
水深200m〜1,000mに生息し、詳しい生態はまだほとんど解明されていない珍しい魚です。
謎多き魚は魚肉の味も謎。一言で言うと「とにかく水がすごい」。
ペーパーで吸っても吸っても無限に水が湧き出てくるそうで、田原さんは「無限水湧き肉」と呼んでいるそう。
お刺身、竜田揚げ、煮て食べてみたところ、まず火が通りづらく全然焼けない。竜田揚げにすると、衣の内側の「味がしない無限に水が出てくる何か」を噛み続けるという罰ゲームのような感じに。
びっくりするほど美味しくないリュウグウノツカイですが、人魚伝説の元になった魚なので、その肉を食べたら不老不死になるかも!?
番外編:普通に美味しい深海魚
深海魚といえば珍しい魚というイメージもあるかもしれませんが、実はよく聞くあの「美味しい魚」も実は深海魚だったりするんです。
そんなとても美味しい深海魚で代表的なのはキンメダイ。脂が乗っていて煮付けにして食べるととても美味しい魚です。
他にも、白身のトロとも呼ばれる高級魚のノドグロも実は深海魚。
一気に深海が身近に感じられますね。
ちなみに、深海魚愛好家の田原さんが一番好きな深海魚はラブカ。
食べてみても美味しかったようで、お刺身にすると甘みがあり、煮ても焼いても唐揚げにしてもおすすめとのことです。
深海魚愛好家 田原舞
深海魚デザイン専門のアパレルブランドLavca.m(ラブカドットエム)主宰。
深海魚愛好家として深海魚の魅力を伝えるためメディア出演や深海魚タッチというイベントを各地で開催している。