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深海魚の体中に黄金の袋が?!その正体と理由について調べてみた

 皆さんは「深海魚」と聞くと、どんな魚を思いうかべるでしょうか。グロテスク、キモカワ、高級魚、未知の生物…??今回は、そんな深海の世界から、あまり知られていない「黄金の袋」を持つ深海魚について、釣り船の娘で東京海洋大学大学院生の小菅綾香さんがレポートします。

深海魚の中にあるこの黄金の袋は一体!?
目次

深海魚「ギス」ってどんな魚?

 金色の袋を持つ魚、それは「ギス」です。この「ギス」という魚は水深200~1000mに生息している深海魚です。姿が大きな「シロギス」のように見えるため、相模湾では沖にいるキスという意味で「オキギス」という名前でも呼ばれています。白身の魚なので、バター焼きにして食べたことがあるのですが、小骨が多くて非常に食べにくいです…。

 しかし、「ギス」は昔から小田原高級かまぼこの原料として使われてきました。いわば、かまぼこの高級食材なのです。

黄金に輝く袋の正体とは…??

では、「ギス」が持つこの黄金に輝く袋は、一体なんなのでしょうか?

 これは、「浮き袋」になります。浮き袋とは、魚が水中で浮力を調整するために備え付けた空気の袋です。通常、浮き袋は薄く、色は白や半透明なことがほとんどです。それに比べて、ギスの浮袋は非常に分厚いうえに、ギラギラした黄金をしています。

 実はこの理由ははっきりと解明されていません。しかし、一説によれば深海魚の中には、水圧の変化に耐えるために浮袋を丈夫なグアニンという物質で覆うものがいるそうです。

 このように深海に生息する魚たちは、姿や形、浮袋までも変化させ、その特殊な環境に適応しているのです。とても驚きですよね。これからも色々な深海魚に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

小菅さんが高校生の時に釣った日本記録のギス

※参考ページ
かまぼこのある暮らし:https://www.kamaboko.com/column/himitsu03/
新江ノ島水族館:https://www.enosui.com/diaryentry.php?eid=03799
大漁祈願‼さかな芸人ハットリオフィシャルブログ:https://ameblo.jp/tairyokigan/entry-12596781660.html

筆者プロフィール:
さかなのNEWS編集部・小菅綾香 釣り船の娘として生まれ、釣り歴21年。現在、東京海洋大学の大学院生。

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この記事を書いた人

さかなのNEWS編集部。魚、漁業、水産業のことを「広く」「深く」「ゆるく」伝えています。

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