お好みの具と海苔との相性が最高な巻き寿司。巻き寿司は、鉄火巻きやかっぱ巻きなどの「細巻き」、千葉県発祥とされる「太巻き」や節分の「恵方巻」、パーティーなどにお手軽な「手巻き寿司」など、様々なバリエーションがあります。
みなさんは、巻き寿司は何の具が好きですか?私はまぐろ中落ちと漬物を一緒に巻いた、「とろたく」が大好きです。はじめて食べた時、絶妙な食感と相性の良さに感動しました!
ところで、作家の村上春樹さんは、ヤクルトスワローズの熱心なファンということで知られています。ご自身のエッセイ本「村上ラヂオ」の中で、神宮球場で観戦の前に、行きつけのお寿司屋さんでお弁当に太巻きを作ってもらっていたとあります。
“カウンターでビールを飲み、白身魚の刺身をつまみながら、顔見知りの若い職人が大きな太巻きを作るのを眺めていた。ほど遠くない場所で、やがて野球の試合が始まる。そういうのって、人生の小確幸(小さい確かな幸せ)というべきか。“
引用・村上ラヂオ「太巻きと野球場」 [村上春樹, 平成15年]
村上さんの造語でしょうか、この「小確幸」という言葉が大好きです。私も日常に転がっている「小確幸」を楽しみながら過ごしてゆきたいです。
“あなごやらイカやら卵焼きやら三つ葉やらかんぴょうやら、いろんなものがみんな一緒にひとつの布団に潜り込んでいるみたいで、見ているだけで心愉しい。
引用・村上ラヂオ「太巻きと野球場」 [村上春樹, 平成15年
エッセイのラストの、太巻きについてのこの表現が秀逸です。たくさんの具材たちが仲良くお布団で寝ている様子を想像すると、とても微笑ましくてほっこりします。思わず太巻きが食べたくなっちゃいませんか??
筆者プロフィール:
水産系シンガーソングライター 牧野くみ
魚食×アートの可能性を探る。ととけん1級所持。
2019年、鮭をテーマに3曲収録した「あの川を目指して」自主制作リリース。