日本では、縄文時代からクジラを食してきた歴史があります。昔から日本人には馴染みの深いクジラですが、戦後にピークを迎えたクジラの消費量は、商業捕鯨の禁止により激減。その後、2019年7月1日には、大型のクジラを対象とした商業捕鯨を再開しましたが、一般的な食卓からは、少し遠い存在になってしまったと言えるかもしれません。
そこで、今回は、あまり馴染みがなくなってしまったとも言えるクジラのおいしさをお伝えします!
〇食卓から姿を消した「クジラ」
クジラの消費量は、1962年には約23万3千トンでしたが、近年は5千トン前後に推移しています。商業捕鯨が再開しても、多くの食卓からクジラの存在はなくなりつつあります。スーパーでも、ベーコンや缶詰ぐらいしかクジラを見ません。皆さんは、クジラを食べたことがありますか?
クジラは、ベーコンや缶詰以外にも、美味しい食べ方・部位がたくさんあります!
今回は、その中でも格段に高級な部位「鹿の子」をご紹介します。
〇格段に高級な部位「鹿の子」
クジラの高級部位と言われる「鹿の子」。読み方は、“しかのこ”ではなく、「かのこ」です。鹿の子は、クジラのアゴを覆っている部位を指します。少量しか取れないため、稀少品として扱われています。
鹿の子は、筋肉に脂肪が粒状についているのが特徴。その模様が小鹿に似ていることから、「鹿の子」と呼ばれているとのこと。
今回は、ニタリクジラの鹿の子をお刺身にしてカボスポン酢でいただくことに。値段は60gで1,298円。1Kgに換算すると2万円強!確かに、お高めですね。
見た目は、魚というよりかは、まるで牛肉!!盛り付け皿が透けるほど、非常に薄くスライスされています。そして、食べるとすごい歯ごたえ!ゴリゴリとした食べ応えのある食感です。さすが、アゴの部位だけあって、筋肉質です。臭みもなく、噛み締めるほどに、クジラの甘みが出てきます。刺身以外では、ハリハリ鍋や、すき焼き、しゃぶしゃぶでも美味しいとのこと。
普段の生活では、なかなか出会えないクジラ肉ですが、通販などで購入することも可能です。見つけた際はぜひともいただいてみてください。
※参考ページ
水産庁:https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/w_thinking/
【筆者プロフィール】
さかなのNEWS編集部・小菅綾香
釣り船の娘として生まれ、釣り歴22年。東京海洋大学大学院を卒業。
釣りアンバサダーとして釣りや魚、水産業の魅力を伝える活動をしている。