カツオの旬はといえば、春の「初ガツオ」、秋の「戻りガツオ」というのが一般的です。しかし、季節外れの冬に獲れるカツオは、なんと大間のマグロよりも高値が付くんだとか…。今回は幻の超高級「迷いガツオ」についてご紹介します。
この「迷いガツオ」、聞いたことがないという人が多いのではないでしょうか?迷いガツオとは、日本海を回遊し、新潟や富山沖などの日本海側で漁獲されるカツオのことを指します。皆さんがよく食べるカツオは、高知県や静岡県、千葉県、宮城県など、太平洋で漁獲・水揚げされたカツオです。このように、本来であれば、太平洋側を北上するカツオですが、どういうわけか日本海側を北上するカツオがおり、それが「迷いガツオ」というわけです。
この「迷いガツオ」は、12月前後に新潟や富山沖の定置網に入り、その価格は初ガツオや戻りガツオの5倍以上とも言われています。2019年の冬に水揚げされた迷いガツオは、なんと7,000円/㎏を上回る価格が付いたそうです。
なぜ、季節外れの「迷いガツオ」に、こんな高値が付くのでしょうか?それは、「希少性」と「味」にありました。まず、迷いガツオは寒ブリなどと混じって漁獲されるため、水揚げ量はごくわずかで希少性が高いのです。
次に、迷いガツオの味は、皮目にしっかりと脂が乗り、濃厚で甘みの強い味と言われています。迷いガツオは、主に高級寿司店で提供され、マグロやウニと並ぶ冬の高級食材として扱われています。
迷いガツオは、知る人ぞ知る高級魚として流通しています。魚好き、カツオ好きならぜひ一度味わってみたいものです。
※参考ページ
Nippon.com:https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu900136/
筆者プロフィール:
さかなのNEWS編集部・小菅綾香
釣り船の娘として生まれ、釣り歴21年。現在、東京海洋大学の大学院生。