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ムラサキウニを開けたら出てきた「アリストテレスのランタン」とは?|牧野くみのお魚ライナーノーツ

 御徒町の魚介類専門スーパー・吉池をパトロールすることが私のライフワークの一つです。少し前になりますが、ムラサキウニが一つ540円の半額、270円と大変リーズナブルだったので、せっかくだから自分で開けてみよう!と思い立ちチャレンジしてみました。

 2個購入してネットの説明を見ながら殻を剥いてみるものの、最初の一つは写真のように破損してしまいました。また、中は黒い内臓があるのでそれらを洗って取り除かなければいけません。ここの作業を雑にするとオレンジの食べる部分を傷つけてしまうので、繊細さと優しい気持ちが要求されます。

 私はあまり器用ではないので手間取ってしまいましたが、なんとか食べられる部分を死守し、開けたての生ウニをおいしく頂くことができました。市販のきれいに並べられているウニはこんなに手間がかかっているんだ・・・とやってみてわかったので、今度から市販のウニを買う時や外食で頂く時はもっと感謝しようと思いました。

 ところで、ウニの真ん中のこちらの口の部分は「アリストテレスのランタン」と呼ばれています(これも取り出して洗っているうちに一つ破損しました、繊細ですね)。

 古代ギリシャの哲学者・アリストテレスがこの部分のことを「ランタン(提灯)に似てる!」と言ったそうです。アリストテレスは紀元前384年~322に生きた人なので、2300年以上前に話したことが今も残っているということにロマンを感じます。

 最後にひとつウニに関するニュースを。先日北海道で赤潮が発生し、ウニ漁に多大な被害が出ています。漁師さんや飲食店への影響を考えると胸が痛みます。被害が一刻も早く収束することを心より願っています。

筆者プロフィール:
水産系シンガーソングライター 牧野くみ
魚食×アートの可能性を探る。ととけん1級所持。
2019年、鮭をテーマに3曲収録した「あの川を目指して」自主制作リリース。
https://magazine.tunecore.co.jp/newrelease/41784/

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この記事を書いた人

さかなのNEWS編集部。魚、漁業、水産業のことを「広く」「深く」「ゆるく」伝えています。

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