アンコウといえば、冬の味覚の代表格です。あのグロテスクで可愛らしい(?)外見からは想像がつかないほどの美味な出汁が取れます。
食べ方として、唐揚げや新鮮ならお刺身もオススメですが、最もポピュラーなのは、やはりアンコウ鍋だと思います。
ただ、「西のフグ、東のアンコウ」とも称され、冬のアンコウといえば高級魚というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際の価格はというと、私の家の近所の魚売り場で1食分1パックが1000円程度で売られているのをよく目にしたりします。安くはないですが、決して手の届かない価格でもない、、、といったところでしょうか。
今回は、そんなアンコウを楽しみ尽くす個人的にオススメな食べ方をご紹介したいと思います。
名付けて「アンコウ」の三段活用!
若干高くても、この三段活用をすることで、アンコウはかなりコストパフォーマンスの良い食材になります。
さて、本題に入る前に、アンコウを獲っていたうちの父がいつも言っていることがありました。
「アンコウ鍋に野菜を入れるのは邪道である」
ということで、我が家のアンコウ鍋は、薬味のネギを除けば本当にアンコウだけ。
今思えば、なんて贅沢なんだと思いますが、アンコウの味そのものを楽しむなら、この食べ方が一番です。なので、
まず第一にアンコウ単品の汁物を楽しむ!
これが、三段活用の始まりです。
解体されたアンコウを、鍋に入れ、酒を足して水から煮ます。肝があるならもちろん肝も忘れずに。大きめで投入してもよし、どぶ汁のようにしてもよし、そのあたりはお好みで。沸騰したら20分程度煮込み、最後に味噌を溶いて完成!お好みでネギを散らしてもよし、アンコウそのものの味を楽しみましょう。
そして、ここで、、、
第二段階としてあんこう汁に野菜などの具材投入!
野菜入れるのは邪道なのかもしれませんが、世間一般的にはメジャーな食べ方です。アンコウ単品の汁を味わった後であれば、バリエーションを楽しむ絶好な食べ方といえます。
白菜や人参、豆腐などもよいでしょう。アンコウの出汁が効いた鍋を楽しみます。
最後に、、、
第三段階としてご飯投入!
鍋の後、ご飯を投入して、アンコウの出汁が効いた雑炊にします。このアンコウ鍋の場合、なぜか締めはご飯が合います。うどんやラーメンでは今ひとつです。
ここで注意すべきは、この段階で鍋から骨をキレイに取り除いておくことです。そして、この雑炊を楽しむため、アンコウの身や肝をあえて煮くずしておくのも良いです。逆に言うと、アンコウの身を煮すぎて煮くずれてしまっても雑炊が美味しくなるので、この食べ方だとトータルで失敗しないと言えます。
以上のやり方でアンコウが3倍楽しめます。三段階の食べ方は、1食の中で行うもよし、三食に分けてもよしです。
最後にアンコウを調理する際のポイントは、「ただアンコウ買ってきて入れるだけ」な点です。お店で捌いてくれるので、調理が驚くほど簡単!
この冬は、ぜひともアンコウを楽しんでください。
----コラムニスト----
ながさき 一生(いっき)
さかなプロダクション&さかなの会代表
おさかなコーディネータ/ライター
新潟の漁師の家で18年間家業を手伝い、東京海洋大学&築地市場を卒業。
イベントやったり、本を書いたり、魚の相談にのったり。
人と人を魚でつなげ、世界をちょっと楽しくしてます。